妊娠が成立し、女性の体が赤ちゃんを育てる準備を整えていく、妊娠初期。つわりが始まったり、不安を感じやすくなったりと、心身共に不安定になる時期です。
そんな妊娠初期ですが、夫婦間のセックスは、これまで通りにしてもよいのでしょうか。中出しによって、出産に悪い影響が出てしまわないか、心配になりますよね。
妊娠初期は、母体も胎児も状態が変化しやすい時期だからこそ、正しい知識をもっておくことが大切です。
そこでこの記事では、
- 妊娠初期の中出しセックスによる胎児への影響
- 妊娠初期の中出しセックスによる母体への影響
- 妊娠初期にセックスをする際の注意点
などについて、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、妊娠初期の適切なセックスの知識を得ることができます。大切な赤ちゃんとママの体を守りながら、安心して夫婦のスキンシップをとることができますよ。ぜひ最後までお読みください。
妊娠初期の中出しは母体や胎児に影響があるの?
妊娠初期の中出しセックスは、「よくないのかな」と思いつつ、その根拠はわからない人も多いのではないでしょうか。ここからは、「本当に危ないのか?」「なぜ危ないのか?」など、みなさんの疑問を一つ一つ解説していきます。
子供を授かったと知った昨日にも中出しセックスしてしまっていたなんてことありますよね
妊娠が判明した時、心から喜びが溢れると同時に、「昨日の夜、中出しセックスしてしまったけど大丈夫かな…」なんて不安が頭をよぎった経験はありませんか?なかなか言葉には出しにくい不安ですが、同じように感じている妊婦さんは、案外多いもの。妊娠初期に不安を感じてしまう女性は、たくさんいるのです。
妊娠初期の中出しにはどんな効果があるのでしょうか?
妊娠初期に中出しセックスをした場合、母体や胎児にどのような影響があるのか、気になりますよね。結論から言うと、「必ずしも母体や胎児に影響が出るわけではないが、決して推奨はされない」ということです。そして、この「なぜ推奨されないのか」を知っておくことが、赤ちゃんとママの体にとって、とても大切です。詳しく解説していきます。
そもそも、妊娠初期っていつからいつ頃までのことなの?
妊娠は、奇跡の連続でもたらされるものです。女性の生理が終わり、排卵があり、排卵された卵子と精子が受精卵となって子宮内膜に着床することで、妊娠が成立します。
そして、妊娠期間が始まると、妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期と3つ過程を経て、ついに出産を迎えるのです。
では一体、妊娠初期とはどのような時期なのでしょうか。妊娠初期の期間や特徴について見ていきましょう。
妊娠周期の計算方法
妊娠週数は、最終月経開始日(最後の生理が始まった日)を「妊娠0週0日」として計算し、40週にあたる日を出産予定日として設定します。つまり、妊娠週数には、女性が妊娠に気が付く前の期間も含まれているのです。妊娠週数の計算方法は、以下の2通りがあります。
- 「調べたい日付」−最終月経開始日
- 「調べたい日付」−(出産予定日−40週)
この方法で計算すると、自分が今妊娠何週目なのかを知ることができます。
妊娠15週目までが妊娠初期とされている
妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期は、それぞれ妊娠週数によって区分されています。このうち妊娠初期は、妊娠0週から妊娠15週までの期間のこととされています。ちなみに、妊娠中期は妊娠16週から27週、妊娠後期は妊娠28週から40週のことを指しています。
早い人だと妊娠の3週目から症状が現れる人もいる
つわりを代表とする、妊娠初期症状。いつから現れるかは個人差がありますが、早い人だと、なんと妊娠3週目あたりから現れることがあります。また、妊娠初期症状は、つわりの他にも腹痛や微熱などさまざまな症状があり、その程度も人によってまちまちです。このように、妊娠初期は、ママが体に最も負担を感じやすい時期なのです。
妊娠初期の胎児への影響について
ここからは、妊娠初期の中だしセックスにおける胎児への影響についてお伝えします。
基本的には胎児への影響はゼロと考えていてOK
基本的に、中出しをしても、精液が胎児に届くことはありません。また、精子の中に、胎児にとって有害な物質が含まれているということもありません。したがって、妊娠初期に中出しセックスをすることが胎児に直接与える影響はゼロと考えてよいでしょう。
妊娠初期は症状が出ない限り妊娠に気づかずに何度も中出しをしている可能性がある
妊娠初期は、女性が妊娠に気づく前の、最終月経開始日から始まっています。妊娠初期症状があまりに早く出た場合を除き、女性が妊娠に気づくのは、妊娠5週あたりになってからです。つまりその間、妊娠に気づかずに中出しセックスをしてしまっている可能性があるということです。もし妊娠に気づく前に中出しセックスをしてしまっていても、不安に思う必要はありません。
妊娠が発覚した後であっても医師の指示があれば問題なくできる
「妊娠が発覚するとセックスができなくなるのでは…」と思う人も多いでしょう。しかし、妊娠していても、医師から特別に安静を指示されていなければ、セックスをすることは何も問題ないのです。過去に早産や流産を経験している場合や、すでに医師から早産の恐れがあるなどと診断を受けている場合は、医師に確認をするとよいでしょう。
しかし、感染症や膣炎などにかかってしまうと薬が飲めないので基本的にはしないことがベスト
ここまで、妊娠初期における中出しセックスは、胎児に直接的な影響を与えないとお伝えしてきました。しかし、中出しセックスは、性感染症や膣炎を引き起こすリスクがあります。万が一これらにかかってしまっても、妊娠中は薬を飲むことができません。また、赤ちゃんがママの産道から感染してしまうと、生まれた時に障害が残ってしまう可能性があります。これらのことから、妊娠判明後の中だしセックスは、しないことがベストと言えます。
妊娠初期の中出しによる母体への影響について
続いて、妊娠初期の中出しセックスにおける、母体への影響についてお伝えします。
基本的に中出しセックスは可能だが以下の症状が出ている場合はやめておくのがベスト
妊娠初期は、とても体調が不安定な時期です。中出ししたことによって体調が悪くなってしまうということは基本的にありませんが、体調を第一に考え、中出しはしないのがベストです。特に以下の症状が出ている場合は、控えるようにしましょう。
貧血
妊娠中は、鉄分の多くを赤ちゃんに吸収されてしまうため、貧血を起こしやすくなります。母体の健康状態に危害を与えてしまわぬよう、貧血の症状がある時は、セックスを控えるようにしましょう。
つわり
つわりは、妊娠中の女性にとってはとても苦しいもの。つわりの最中に、夫からセックスを求められ、ストレスを感じる妊婦さんも多くいます。つわりがある時は無理にセックスせず、ゆっくり休むことを第一にしましょう。
おっぱいの張り
妊娠初期は、女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されます。それにより、多くの女性が、妊娠前よりおっぱいの張りを感じます。おっぱいが張って違和感がある時は、セックスは控え、刺激を与えないようにしましょう。
頭痛
頭痛も、妊娠初期に多く見られる症状です。つわりと同様、安定期に入ると自然に落ち着いていきます。頭痛が激しい時は、安静にすることが大切です。セックスは控え、ゆっくり休むようにしましょう。
コンドームをつけずにセックスをしていることで影響が出る可能性がある
コンドームをつけずに中出しセックスをし続けている場合、母体に影響が出てしまう可能性があります。精液に含まれるプラスタグランジンの作用によって、子宮の収縮が促進されてしまうのです。これにより、早産や流産を引き起こしてしまうことがあります。性感染症や膣炎の発症リスクも踏まえると、やはり妊娠中の中出しセックスには、大きな危険が伴うと言えますね。
もしも、流産してしまった場合に責めてしまう原因にもなるので中出しセックスは控えましょう
基本的に妊娠初期の流産は、赤ちゃんの染色体異常などによって起きるものです。そのため、中出しセックスが流産の直接的原因になるとは限りません。しかし、実際に妊婦さんの中には、中出しセックスをして流産をしてしまい、「あの時中出ししてしまったことが原因だ…」と自分を責めてしまう人もいます。もしもの時に自分を責めてしまわないためにも、中出しセックスは控えましょう。
妊娠初期にどうしても中出しセックスしたい場合はここを気をつけましょう
前述のとおり、妊娠初期にセックスをする場合は、さまざまなことに気を遣う必要があります。特に以下のことには、十分気をつけましょう。
無理な体勢・体位でのセックスはしないこと
妊娠初期は、流産のリスクが最も高い時期です。お腹が圧迫されるような無理な体勢・体位でのセックスは絶対にやめましょう。特にお腹への負担が少ないおすすめの体位は、横向きとバックです。女性が「これなら大丈夫」と安心できる体勢・体位を選びましょう。
コンドームの着用は必ずすること
コンドームを使わない中出しセックスは、早産や流産を引き起こしたり、感染症に感染したりするリスクが伴います。母体の健康を保ち、元気な赤ちゃんを迎え入れるためにも、コンドームは必ずつけるようにしましょう。
激しいセックスは控えること
妊娠初期は、負荷のかかる運動が禁止されています。それほど、少しの負荷や刺激に敏感に影響を受けてしまう時期だからです。激しいセックスは避け、スキンシップ程度の行為を心がけましょう。
女性の体調を最優先すること
妊娠中のセックスは、常に女性の体調が最優先です。特に、まだ安定期に入っていない妊娠初期は、日によって体調が大きく変化します。その日の女性の体調にしっかり合わせるようにしましょう。女性側も、無理せず自分の状態をパートナーに伝えることが大切です。
乳首を責めないようにすること
乳首への刺激は、中出しと同様、子宮を収縮させる可能性があります。子宮の収縮は、早産や流産を引き起こしやすくするため、危険です。こうしたリスクを避けるために、乳首は責めないようにしましょう。
妊娠初期の中出しや性行為についての体験談
ここからは、実際にママたちが体験した、妊娠初期の中出しや性行為についてご紹介します。
体験談①:つわりがひどく、性欲が湧かなかった
妊娠5週目あたりからつわりが始まり、どんどんひどくなっていきました。食事がとれないのはもちろん、食べ物の匂いを嗅ぐだけでも嘔吐してしまい、日々生活するのがやっと。性欲は一切湧きませんでした。夫が理解してくれていたので、妊娠初期はまったく性行為をしていません。
つわりとに苦しみ、妊娠初期のセックスはしなかったというケース。やはり体調が安定しない状態では、性欲も湧きづらくなりますよね。旦那さんに理解してもらうことが大切ですね。
体験談②:中断してしまうことが多くて気まずくなった
妊娠初期から臨月までそれなりの頻度でセックスをしていましたが、妊娠初期は、ほぼ毎回つわりで中断してしまい、雰囲気が台無しに。妊娠中期以降になると、今度はお腹の張りが気になって、何度も休憩を挟んでしまいました。休憩や中断をしてしまった時は、やっぱり気まずくなりました。
このケースのように、妊娠初期は、セックス の途中で疲れてしまうことや体調が優れなくなってしまうこともあります。「苦しくなったらすぐにやめる」という夫婦の共通認識のもと、無理のない範囲でセックスを楽しめるといいですね。
体験談③:中出しをしてしまって流産…自分を責めた
妊娠5週目で妊娠がわかり、嬉しくてその日の夜に、避妊をせずにやってしまいました。翌朝出血し、慌てて産婦人科へ行きましたが、その時にはすでに流産してしまっていました。「なんであんなことをしたんだろう…ちゃんと勉強しておくべきだった…」と自分を責め続けました。今は、再びお腹にやってきてくれた我が子を無事出産し、家族3人で仲良く過ごしています。
妊娠初期の流産の原因は、赤ちゃん側にあることが多いと言われており、この場合も、中出しセックスが直接の原因かどうかはわかりません。しかし、自分の行為を責めてしまったこのママの気持ちもよくわかりますよね。早期から正しい知識を得ておくことが、本当に大切ですね。
体験談④:優しい行為やスキンシップでいい関係を築けた
妊娠初期は、体調がいい日だけセックスをしていました。とはいっても、体に負担がかかる行為はすべて避け、私がやるのは彼のお手伝いやスキンシップ程度。挿入するときは、避妊具をつけてもらい、中出しはしませんでした。妊娠前のようにはできなくても、お互いを大切にする夫婦の時間になっていました。
ママや赤ちゃんに負担がかからないように配慮しながらも、夫婦の時間を楽しめたという経験談。旦那さんがよく理解し、寄り添ってくださっていることも伝わってきますね。
【体験談あり】妊娠初期の中出しによる母体への影響ってある?注意点を解説まとめ
ここまで、妊娠初期の中出しセックスが与える影響や、妊娠初期のセックスで気をつけるべきことなどについて解説してきました。いかがでしたか?
この記事のポイントは、
- 妊娠初期の中出しセックスが、胎児に直接影響を与えてしまうことはない
- 妊娠初期の中出しセックスにはさまざまなリスクがあるため、控えるべき
- 妊娠初期のセックスは女性の体調を最優先に考えるべき
です。
妊娠初期のセックスは、基本的にはしても大丈夫です。しかし、中出しは、流産を誘発したり感染症に感染したりするリスクがあるため、控えることをおすすめします。
ぜひこの記事を参考に、妊娠初期の正しい知識を身に付け、夫婦のスキンシップを楽しんでくださいね。
この記事の執筆者セックステクニシャンみぃこ
元Nsセックスアドバイザーみぃこ
専門時代からマッチングアプリにドはまりしており年間で30人以上の男性との性交渉の経験を持つ。女性のオーガズムの仕組みについてかなり熱心に研究している。自身の性経験から避妊の重要性なども専門性の高い情報を持っている また元Nsとして5年間病院で従事しており、女性の体の仕組みについては精通している