外出しをしても妊娠する?我慢汁で妊娠するって聞いたけど本当?この質問は何年も前からよく議論されていることで、不安や疑問に思っている方も多いと思います。実際我慢汁とは一体何なのか?我慢汁の成分やどうして分泌されるのかが分かればこの疑問は解決します。
そこでこの記事では、
- 我慢汁の成分と我慢汁で妊娠する確率
- 挿入しなくても妊娠する可能性がある行為
- 我慢汁での妊娠を避ける方法
- 我慢汁についてのよくあるQ&A
について詳しく解説していきます。この記事をお読みいただければ、我慢汁とは何かということから妊娠の可能性、我慢汁で妊娠しないやり方まで全て分かるようになりますから是非最後までお付き合いくださいね。
我慢汁で妊娠する可能性はある?
射精の前に尿道から出てくる透明の液体、我慢汁。射精したときに出る精液とは明らかに違うこの液体は一体何なのでしょうか?また、この我慢汁で妊娠する可能性はあるのでしょうか?
我慢汁とは一体何?
我慢汁とは、カウパー腺液の事を言います。男性が性的な興奮や刺激を受けた際に、陰茎から分泌される透明で粘性のある体液のことを指します。このカウパー腺液は刺激を続けると増える傾向があり、射精に至る前段階で分泌されるため「我慢汁」や「先走り汁」と呼ばれています。
我慢汁の成分や役割について
我慢汁はカウパー腺と呼ばれる場所から分泌される分泌液で、その成分に精子は含まれません。実はこの我慢汁は、スムーズに妊娠するためのサポートをする役割を担っています。このカウパー腺液が分泌されることで、弱酸性の女性の膣内をアルカリ性に変化させて精子を守る役割があります。また、我慢汁は挿入時の摩擦を減らし挿入をスムーズにする働きもあります。
我慢汁は「精子と同じ場所から分泌される液」なので、妊娠のリスクを抱える女性にとっては不安も大きい
我慢汁の成分に精子は含まれていませんが、精子と同じ道を通って体外に排出されます。射精する前に精子が我慢汁に漏れ出してしまう場合があるため、我慢汁の成分に精子が入ってしまう可能性があります。射精はある程度コントロールできますが、我慢汁は出すことを止めることも出ている感覚もありません。つまり、体外射精をしていても、我慢汁内に含まれた精液によって妊娠のリスクが発生するということになります。
我慢汁で妊娠する確率は何%?
我慢汁でも妊娠する可能性があることについては前述のとおりですが、では実際に我慢汁で妊娠してしまう可能性はどれくらいあるのでしょうか?また、直接膣内で射精した時と比べたときの差はどのくらいになるのでしょうか。
健常な男女が排卵日にセックスをした場合の妊娠確率について
妊娠の確率は人によって変わりますし、特に年齢によってその確率は大きく変わってしまいますので一概には言えません。健康な20代前半の男女が一年間避妊をせずにセックスをして妊娠する確率は80%を超え、40代後半になると5%まで低下してしまいます。そして健康な20代前半の男女が、最も妊娠しやすいと言われている排卵日とタイミングを合わせて性行為をした時の妊娠の確率は30%程度と言われています。
膣外射精で妊娠した妊娠経験者は3割以上!
実際に我慢汁だけで妊娠したかどうかを調べることは難しいですが、膣外射精、いわゆる外出しをしたのに妊娠してしまった場合は我慢汁での妊娠と考えるとこともできます。妊娠したことがある女性の中で、膣外射精で妊娠したという人は3割以上にも上ります。さらに、膣外射精での妊娠確率は22%程度と言われており、これは膣外射精でも5回セックスをすれば1回は妊娠をするということになります。
我慢汁は精子の量も少ないの妊娠の確率は低いが決して0%というわけではない!
膣外射精で妊娠した人の中には、実際は男性が外に出す前に少し出てしまったケースも含むと思われますから、純粋に我慢汁だけで妊娠となるとさらに低い確率になることが予想できます。先ほどの説明にもあったようにそもそも我慢汁には精子は含まれていませんから、精子が我慢汁に漏れ出してしまっても大した量ではありません。しかし、我慢汁で妊娠する可能性は十分にありますので、膣外射精は避妊方法とは言えませんから注意してください。
我慢汁での想定外の妊娠が不安な場合はどうしたらいい?
我慢汁で妊娠する可能性がありますから、膣外射精をしても避妊にはならないということが分かりました。では我慢汁で妊娠しないためにはどのような方法をとればよいのでしょうか。
我慢汁はコントロールできるものではないので外部から侵入を防ぐのが有効な手段
男性はおしっこや射精をある程度は我慢できますが、我慢汁は我慢やコントロールができる物ではありません。つまり、我慢汁は意識しなくても勝手に出てきてしまうものなので、出さないように気を付けることはできません。我慢汁を出ないようにするのではなく、出た我慢汁を女性の中に侵入させないことが一番有効な手段と言えます。
妊娠を望まないなら生セックスをしないのが手っ取り早い
妊娠を望まない場合のセックスでは、コンドームの着用、IUD(子宮内避妊具)、ピルの服用などが効果の高い避妊方法になります。ただし、どの方法も用意や準備が必要になることは間違いありません。全く何の用意もしていない場合では、口や手を使うだけに留めてペニスを生で挿入しないことが一番の避妊方法です。
コンドームを正しく着用してセックスするのがオススメの避妊方法
先ほどの通り、避妊方法として最も簡単で用意や準備に手間がかからないものがコンドームの着用です。さらにピルやIUDでは性感染症は防げませんから、やはりコンドームを正しく着用してのセックスをおすすめします。また、どの方法も100%妊娠が防げるわけではありませんので注意が必要です。
挿入時だけじゃない?我慢汁で妊娠するリスクがあるシーン
我慢汁で妊娠するリスクがあるのは、厳密にいうと実は挿入時だけではありません。挿入していなくても妊娠する可能性がある行為とはどんなものがあるのでしょうか。望まない妊娠を避けるためには正しい知識を身につける必要がありますから、妊娠の可能性が少しでもある行為は知っておきましょう。
素股で性器同士が直接触れた時
素股とは一般的に疑似挿入行為の事を言い、実際に男性器を挿入はせずに股などで圧迫・摩擦する行為です。素股は挿入しませんが、性器同士を押し付けてこすり合わせるようなやり方の素股は妊娠する可能性が0とは言えません。また、性器同士をこすり合わせることで、素股とはいえ性感染症のリスクも高まります。
精子の付いた手で膣内を触られた時
精子は一度体外に排出されるとすぐに死滅すると聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際には必ずしも死滅するわけではありません。精子は乾燥に弱いため単純に体外に排出されると生きられませんが、精液や我慢汁で保護されていれば生き残る可能性があります。つまり体液などで保護された精子が手につき、その手で膣内を触れられると精子が生き延び妊娠につながる可能性があります。
一度使ったコンドームを付け直す
コンドームには裏表がありますから、間違えて装着しても慌ててひっくり返して使わず新しいものに変えてください。コンドームの内側に付着していた我慢汁が、コンドームを付けなおすことで外側になり膣内に侵入する場合があります。コンドームは確率の高い避妊方法ですが、正しい使い方の知識がなければ妊娠の確率は上がってしまいます。
我慢汁で妊娠する可能性を回避する方法
我慢汁も様々なシーンで妊娠の可能性があります。ではどうやったら我慢汁による妊娠を防ぐことができるのでしょうか。ではここからは、実際に我慢汁が出てしまっても妊娠を回避できる方法を紹介していきます。
ピル・低用量ピルの利用
女性がピルを服用することで、我慢汁だけでなく中出ししてしまっても高い確率で妊娠を回避することができます。ここではピルのメリットやデメリット、服用した際の避妊率も解説していきます。
ピルの効果・メリット
低用量ピルは2種類の女性ホルモンを合成して作った錠剤で、正し方法で服用することで排卵を抑え込み高い確率での避妊効果があります。ピルのメリットは避妊効果だけでなく、月経不順や過多月経の改善、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の改善、肌荒れの改善、月経痛の緩和などの効果があります。
ピルによる避妊率
低用量ピルは毎日同じ時間に飲み続ける必要があり、飲み忘れてしまったりすると大きな効果は期待できなくなってしまいます。ただし、正しい服用方法で使用すればその避妊率は実に99.7%に上ります。また、セックスの後に妊娠を防ぐために服用するものはアフターピル(緊急避妊薬)と言い、行為後72時間以内に服用すれば97%の確率で妊娠を阻止することができます。
ピルの副作用
低用量ピルには副作用があり、吐き気、頭痛、乳房の張り感、不正出血などが代表的な症状です。ただし、この副作用は2~3か月以内に治まることがほとんどです。また、低用量ピルは必ずしも全ての人に合うわけではないので、2~3か月たっても副作用が改善されない場合は医師に相談してピルの種類を変えましょう。
ピル以外の女性でも出来る避妊方法
我慢汁による妊娠を防ぐためにできることは、ピルの服用やコンドームの着用だけではありません。ここでは女性ができるピル以外の避妊方法を紹介します。
女性用コンドーム
女性用コンドームは、性行為時に女性が使用する避妊具の一種です。男性用コンドームと異なり女性が直接自分の膣内に挿入するため、男性用コンドームよりも女性の自主的な避妊が可能となります。一般的にポリウレタンやナイロンの薄い袋状の物で、膣の中に挿入して精液を受け止めるので妊娠や性感染症のリスクを減らすことができます。
IUD(ミレーナ・ノバT380)
IUD(子宮内避妊器具)は、子宮内に装着して避妊効果を発揮する避妊具です。ミレーナはプラスチック製でプロゲステロンを放出し、ノバT380は銅製で銅イオンを放出して避妊効果を発揮します。どちらも医師に設置してもらう必要がありますが、性行為の度に避妊具を使用する必要はありません。高い避妊効果を発揮しますが、設置前にリスクと利点をよく理解することが大切です。
ペッサリー
ペッサリーは女性が膣内に装着する避妊具の一種です。一般的にシリコン製やゴム製で作られており膣内に挿入して子宮口を覆い、精子の通り道を塞ぐことで避妊効果を発揮します。ペッサリーは性行為前に膣内に挿入し、性行為後に取り出します。そしてペッサリーは一度使ったら洗浄して繰り返し使用することができます。使用方法を正しく守り、適切に保管して定期的に交換するようにしてください。
緊急時のアフターピルの使用は推奨されるが過信しすぎてはいけない
避妊に失敗したときや、避妊をせずに性行為を行ってしまった時は、アフターピル(緊急避妊薬)を服用することをおすすめします。性行為後24時間以内に服用すれば避妊率は99%、72時間以内なら97%と高い避妊効果を発揮します。ただし、時間が経てばたつほど避妊率は低下していきます。高い避妊効果があるとはいえどんなに早く服用しても避妊率は100%ではありませんし、コンドームと違って性感染症のリスクは減りません。また、服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は高い避妊効果が期待できなくなる場合もあります。
医学的根拠に乏しい避妊方法
巷にはいろんな避妊方法が出回っていますが、科学的根拠に基づいた避妊方法から都市伝説に近い避妊方法まで様々です。ここでは特によく聞く避妊方法のうち、科学的根拠に乏しく正しい避妊方法とは言えないものについて紹介していきます。
膣外射精
膣外射精は、いわゆる「外出し」と言われる行為です。セックスで男性がイキそうになったら、ペニスを女性から抜いて体外に射精する方法です。女性の中で精液を出していないから妊娠はしないというもっともらしい避妊方法ですが、ここまで解説してきたように我慢汁に精子が混ざることがありますから、膣外射精をしても妊娠する可能性はあります。
膣内洗浄
射精後に膣内を洗浄して精子を外に出すことで妊娠を防ぐ、という考えからくる避妊方法です。しかし実際は、膣洗浄では侵入した精子を外に出すことはできません。なぜなら精子は射精後約1〜2時間ほどで卵管までたどり着いてしまうため、膣洗浄で避妊効果を期待することはできません。むしろ膣内を傷つけたり、炎症を引き起こす可能性がありますのでさらに状況が悪化する場合さえあります。
基礎体温表による安全日の把握
基礎体温は朝起きた時に計る体温のことです。女性が毎日計ることで体温の変化から排卵日や生理が近いことが分かります。排卵日は妊娠する可能性が高いためを危険日と呼んだり、逆に妊娠する可能性が低い日を安全日と呼んだりします。しかしこれは体調によって変化するため不確実で、安全日に性行為をするという方法は避妊方法には当てはまらないと思ってください。
我慢汁で妊娠することに不安を抱いている人からのよくある質問
我慢汁でも妊娠する可能性が十分あるということが、ここまでの解説でお分かりいただけましたでしょうか。ここでは逆に、我慢汁で妊娠することのデメリットや、避妊方法についてのよくある疑問をまとめてみました。
Q.我慢汁で妊娠すると障害児が生まれやすいってホント?
そもそも妊娠のメカニズムから考えても、射精でも我慢汁でも一つの精子が卵子と合体して受精することに変わりはありません。つまりこの我慢汁と障害児の関係性は全く科学的根拠のない、都市伝説のようなものです。そして、障害児が生まれるリスクという観点から見ても、精液中の染色体異常や遺伝的疾患を持つ場合があげられますが、これは精液中の問題であり我慢汁には関係ありません。
Q.我慢汁で妊娠した子どもは流産しやすい?
我慢汁で妊娠すること自体は、流産のリスクを増加させるという報告はありません。つまり、我慢汁が流産の確率に関係するという科学的根拠は一切ありません。流産に関して言えば妊娠中の病気や合併症、妊娠した女性の生活習慣、妊娠中の外傷、過去の流産経験などによるものが原因となります。
Q.知恵袋とかにある聞いたこと無い避妊方法は信頼できる?
避妊方法には医療機関で承認されているものや薬事法で認可されたものがありますが、それ以外のYahoo!知恵袋などの掲示板やインターネット上にある聞いたことのない避妊方法については効果や副作用が明確でない場合があるため信頼性に乏しいと言えます。安全で確実な避妊方法を使用するためには、医療機関での相談や避妊指導、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
我慢汁で妊娠するって本当?外出しや避妊の正しい知識について解説のまとめ
ここまで我慢汁と妊娠の可能性について詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事の要点は、
- 我慢汁でも妊娠する可能性がある
- 精子や我慢汁の付いた指の挿入でも妊娠する可能性がある
- 避妊も性病対策もコンドームの着用がおすすめ
- 知恵袋などで見る聞いたことのない避妊方法は信頼性に乏しい
ということです。この記事が皆さんにとって、我慢汁についての疑問や妊娠の可能性についての悩みの解消の一助になれば幸いです。最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
この記事の執筆者セックスアドバイザーまりん
テクニシャン/ラブグッズ検定満点/セックスアドバイザー
大学生の頃に経験した大失恋からの自暴自棄のおかげで、気持ちいいことを追求するようになり風俗に3年半ほど勤め上げた後に、女性風俗ライターの道を歩むことに。現在は、女性に嬉しい最新のラブグッズの情報やテクニック面でのサポートを性業としている性のインフルエンサー